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『スーパーロボット大戦OG ムーン・デュエラーズ』での
マイルズ司令の発言とモノローグをまとめたもの。
五十音順でソートしてありますので悪しからず。










マイルズ(……言われるまでもない)
マイルズ(……鋼龍戦隊を預かった以上、現場判断で非常事態に対処するのも必然ということか)
マイルズ(あのヴォートという男……アリアードが本艦内にあると確信し、奇襲しておきながら何故、通信を入れてきたのだ?)
マイルズ(くっ……私の判断が裏目に出たのか)
マイルズ(こ、このままでは……! 何か意図があってのことなのか……!?)
マイルズ(ここで握り潰しても、ジェイコブ・ムーア中将に報告されるだけか……)
マイルズ(これは……最大級のチャンスを掴んだかも知れんな)
マイルズ(さて、これで我が戦隊がラマリスを殲滅できると証明されることになるか……?)
マイルズ(さて、どうやって釈明するか……)
マイルズ(そのような話、私は聞いていない。今の鋼龍戦隊は、統合参謀本部直属なのだぞ)
マイルズ(それだと敵の十字砲火にさらされる危険性があり、万が一のことがあった場合、即時再転移も出来ん)
マイルズ(だからこそ、余計に胡散臭いのだが……)
マイルズ(たとえ囮役であろうともな)
マイルズ(ならば、扱いこなしてみせよう。そうしてこそ、私の力量を統合参謀本部の主流派に示すことが出来るというものだ……)
マイルズ(ならば、空間転移によって敵要塞直近へ転移し、奇襲を仕掛けるという手もあるが……)
マイルズ(ぬうう……ついにグランティードを奪われてしまったか……!)
マイルズ(む、う……艦長の読みが当たったか……!)
マイルズ(もっとも、一個要塞と地球圏全体……これだけの戦力差があって、何か出来るとも思えんが)
マイルズ(もっとも、身柄を確保しても、素直にガディソードへ渡すことはないだろうがな)
マイルズ(わかっているのは、我々の存在が今後の戦局を左右するだろうということ……これは私の功績を挙げる絶好の機会だ)
マイルズ(何だと……?)
マイルズ(可能なはず、か。言われるまでもない。あの厄介者の集団を引き受けた時から、覚悟は出来ているのだ……)
マイルズ(我が戦隊はラマリスを殲滅できる。だが、その理由は未だ不明……)
マイルズ(空間転移は切り札として残しておくべきか)
マイルズ(元帥閣下が、それほどまでにあの子供達を重視しておられるとは……)
マイルズ(私と話す余裕などないということなのか……?)
マイルズ(脱走者がスパイか破壊工作員なら、こうも堂々と我々に捜索を頼まんか……)
マイルズ(難民申請か……要は物資を無償提供しろということだろう)
マイルズ(彼らが素直に応じればいいのだがな)
マイルズ(陽動は成功と言っていいだろうな)
マイルズ「! 司令、彼女をご存じなのですか……!?」
マイルズ「!!」
マイルズ「!」
マイルズ「……!」
マイルズ「………」
マイルズ「……ああ」
マイルズ「……うむ」
マイルズ「……ええ、艦長達と同意見であります」
マイルズ「……お初にお目にかかる。地球連邦軍統合参謀本部直属、第1独立特殊戦隊司令、マイルズ・ブースロイド准将です」
マイルズ「……クロスゲートの状態はどうなっている?」
マイルズ「……ここまで来ても撃たぬとはな。グランティード・ドラコデウスが傷付くことを恐れているのか……」
マイルズ「……これは、統合参謀本部の決定だ」
マイルズ「……そうか。艦長、聞いての通りだ。伊豆への帰還準備を始めたまえ」
マイルズ「……そうだ」
マイルズ「……その通りです」
マイルズ「……その方が効率的か。では、監視付きで許可する」
マイルズ「……それでは、参謀本部の判断を元にした今後の我が戦隊の活動方針について伝える」
マイルズ「……にわかには信じられぬ話だがな」
マイルズ「……はっ」
マイルズ「……ヒリュウ改の艦尾が損傷しているようだな。直ちに損害状況を報告させろ」
マイルズ「……ヒリュウ改の空間転移装置のメンテナンスは、あとどれぐらいで終了する?」
マイルズ「……フューリーの皇族であるあなたは、血統を最も尊ばなければならないのでは?」
マイルズ「……ブリーフィング終了後、我が戦隊は直ちに威力偵察を行う」
マイルズ「……まあ、良かろう。任せる」
マイルズ「……まだつながらんのか、統合参謀本部と」
マイルズ「……もういい、この3名を戻したまえ。くれぐれも監視を怠らぬようにな」
マイルズ「……やはり、釈然とせんな、艦長。伊豆基地が二度も襲撃されたとは言え、我々が降下後に会敵する可能性は低かろう」
マイルズ「……ラマリス殲滅までの時間が前回より短かったな」
マイルズ「……わかった、会おう」
マイルズ「……わかっている。無断出撃の件は、本艦を救った功績と相殺する」
マイルズ「……以上が、戦闘の概要です」
マイルズ「……何か抗弁はあるか?」
マイルズ「……各員、揃っているな」
マイルズ「……艦長、聞いての通りだ。これより本艦はクロスゲート宙域へ向かう」
マイルズ「……貴様に発言の許可は出しておらんぞ」
マイルズ「……空間転移を温存しておいたのは正解だったが、このような所へ出るとは……!」
マイルズ「……後味の悪い結果だが、パリの解放はひとまず成功したか。その旨をギャスパル元帥閣下に報告せよ」
マイルズ「……今し方、自分の艦から報告がありました。敵はゾヴォークの機動兵器です」
マイルズ「……今回は、案外楽に作戦が終了したな」
マイルズ「……私からも聞きたいことがある。何故、デブデダビデはラマリスを捕獲したのだ?」
マイルズ「……少尉の推測が正しいとすれば、調査隊が見た亡霊とはラマリスではなく、妖機人のことだったのか?」
マイルズ「……承服しかねますな」
マイルズ「……先程、グランティードがクロスゲートに大きく関わる存在かも知れないという話を統合参謀本部に伝えた」
マイルズ「……善処します、としか申し上げられませんな」
マイルズ「……全員集まっているか?」
マイルズ「……全員揃っているか」
マイルズ「……中佐との面識があるのですか?」
マイルズ「……通信内容をオープンにするのであれば、許可する」
マイルズ「……統合参謀本部とは、まだつながらんのか?」
マイルズ「……統合参謀本部の判断が下るまで、カルヴィナ・クーランジュ少尉には自室にて謹慎処分を命じる」
マイルズ「……特使閣下のご想像通りなら、そもそも我々にあのような手段でコンタクトを取らないと思いますが」
マイルズ「……内部の調査はヒリュウに任せる。可能な限り前進させろ。本艦は後詰めとして、ここで固定だ」
マイルズ「……友軍と合流できたか。ヒリュウ改の方はどうか?」
マイルズ「……有り体に言えばな」
マイルズ「……了解しました。ギント・キタウミ大佐の謹慎を解き、ハガネの指揮を執らせます」
マイルズ「……了解しました。特使閣下には随員として、私とヨン・ジェバナ少尉、陸戦隊一個分隊が同行します」
マイルズ「……良かろう、検討しておく」
マイルズ「3名のガディソード人を参戦させるなどと……。何故、レーツェル・ファインシュメッカーの決定を認めたのだ?」
マイルズ「3名の意向は上に伝えておくが……処遇が決まるまでの間は厳重な監視の下、艦内個室で待機してもらう」
マイルズ「ATXチームやオクト小隊の機体に加えて、シュンパティア搭載機でラマリスを制圧せよ」
マイルズ「SRX計画のケンゾウ・コバヤシ博士が立案した作戦を遂行してもらう」
マイルズ「あ、ああ、それで構わん」
マイルズ「あ、あれはいったいなんだ……!?」
マイルズ「ああ、すぐに行く」
マイルズ「ああ、そうだな。各機を収容後、通常航行でベルリンへ向かえ」
マイルズ「ああ、それで構わん。ダークブレインの復活など、決して許してはならんぞ」
マイルズ「ああ、作業を急がせろ! あの基地に万一のことがあれば、今後の作戦に支障が出るぞ!」
マイルズ「ああ、諸君らの疑問はわかっている。これまで、今回の航海の目的地について言明していなかったからな」
マイルズ「ああ、哨戒任務の一環として許可する」
マイルズ「ああ。ラブルパイラへ赴いた際、ガディソード側からフェアリ・クリビアという脱走者の捜索依頼があった」
マイルズ「ああ……ヨン・ジェバナ少尉から提供されたゾヴォークの高性能翻訳機とガディソードの翻訳プロトコルによって、会話は容易になった」
マイルズ「あくまで威力偵察だ。ただし、向こうからの先制攻撃を期待した上でな」
マイルズ「アヅキ、統合参謀本部からの指示は?」
マイルズ「アヅキ曹長、つなげ」
マイルズ「アヅキ曹長、統合参謀本部との回線を開け」
マイルズ「あと数時間もすれば、ラマリスの封じ込めに失敗しかねん。我々は万全の態勢を整えた後、現地へ転移する」
マイルズ「あなた方は、地球人類の歴史の傍観者というわけですか」
マイルズ「あの巨体だ、小回りは利くまい。本艦は射線軸上から逃げられそうだが、損害を受けたクロスゲート監視艦隊は……」
マイルズ「あの男は一癖ありそうですな」
マイルズ「あの敗北を糧に、より慎重な指揮官になったと思ったからだ」
マイルズ「ありがとうございます」
マイルズ「アルテウル・シュタインベックとイーグレット・フェフが死亡した今となっては、ただの敗残兵に過ぎん」
マイルズ「あれが我が戦隊の全戦力ではないことをお伝えしておきましょう」
マイルズ「アンノウンの反応を記録致します」
マイルズ「い、いえ。カルヴィナ・クーランジュ少尉とベルゼルートを我が戦隊で運用し……」
マイルズ「いいか、ラマリス討伐作戦で中核となるのは我々である。故に……」
マイルズ「いいか、理由は二つある。まずは、シャナ=ミア皇女殿下が利敵行為を行った場合への対抗手段」
マイルズ「いいか。我が戦隊の任務は可及的速やかに長距離転移のデータを集め、実績を積み上げていくことだ」
マイルズ「いい傾向だ。これならば、パリのラマリスも……」
マイルズ「いえ、ありません」
マイルズ「いえ……参謀本部の方も深刻な情況なのですか?」
マイルズ「いかが致しましょうか」
マイルズ「いくつかをこちらに回せ!」
マイルズ「いずれ行われるであろう査問までベルゼルートと、君に同行していた民間人の少女も我々の管轄下に置かれる。そう理解したまえ」
マイルズ「いったい何が起きている!? 情況を報告せよ!」
マイルズ「いや、そもそも、現場へ急行する前に私の判断を仰ぐべきだった。にも関わらず、君は独断で行動し、こちらへの報告を怠った」
マイルズ「いや、残った敵機にブービートラップが仕掛けられているかも知れん」
マイルズ「いや、信用させてもらうために、ある検証を行わせていただきます」
マイルズ「いや、待て」
マイルズ「いや、統合参謀本部の指示を仰ぐ! 直ちに打電せよ!」
マイルズ「いや……今回の任務が回ってきたのは、封印戦争で鋼龍戦隊がバラルと深く関わっていたからだと思われる」
マイルズ「いよいよだな。艦長、ギャスパル元帥閣下が見ておられるのだ。失敗は許されんぞ」
マイルズ「イルムガルド中尉……何のために彼女を連れて来たのかね」
マイルズ「う、ううっ……!」
マイルズ「う、うぬっ! こちらから出せる機体はないのか!?」
マイルズ「う、うぬっ……!」
マイルズ「う、うむ。ベスト・アンサーだ、艦長」
マイルズ「う、うむ」
マイルズ「う……むう。今、出来ることをやると言うのか。いいだろう」
マイルズ「ヴォート・ニコラウスはこちらを奇襲しながらも通信を入れ、アリアードとお前達の身柄の引き渡しを要求した」
マイルズ「ヴォートもそう述べていたが……一連の会話や行動から判断して、彼はお前達との接触を目論んでいたように思える」
マイルズ「うっ、これは!」
マイルズ「うぬっ! 現時刻を以て、艦長の任を解く! 保安兵! 即刻、この男を……」
マイルズ「うぬっ、このタイミングで!」
マイルズ「うむ、いいタイミングで命令が出たな」
マイルズ「うむ、この東京で連中を再び増殖させてはならん」
マイルズ「うむ、それでいい」
マイルズ「うむ、ベスト・アンサーだ」
マイルズ「うむ、レフィーナ中佐と話したい。つないでくれ」
マイルズ「うむ。あの装置はラマリス・カーナを保存……いや、培養しているのか?」
マイルズ「うむ。今度、アル=ヴァン・ランクスが現れたら、何としても捕らえろ」
マイルズ「うむ。今度こそ確実にラマリスを殲滅せよ」
マイルズ「うむ。私は自室に戻る。クロガネに預けた機動部隊の移送が終わったら、連絡してくれたまえ」
マイルズ「うむ。準備が整い次第、ガウ=ラ・フューリアへ突入する」
マイルズ「うむ。民間人の避難支援は、あのAM隊に任せる。アンノウンをこのエリアから出すな」
マイルズ「うむ」
マイルズ「ええい、大阪へ急がねばならん時に……!」
マイルズ「お、おのれ、図に乗りおって!」
マイルズ「おお、つないでくれたまえ」
マイルズ「おそらくな」
マイルズ「オペレーション・トリオンフよりは楽な任務だ。迅速に遂行せよ」
マイルズ「カーナ・タイプはいないようだが、住民避難が完了しておらず、防戦一方になっている」
マイルズ「ガウ=ラ・フューリアの件だが……シャナ=ミア皇女殿下の説得により、反乱分子は投降した」
マイルズ「ガウ=ラ・フューリアはクロスゲート監視艦隊の監視下に置かれる」
マイルズ「ガウ=ラ・フューリアへは鋼龍戦隊の総力を挙げて、進撃する」
マイルズ「カティア・グリニャール、フェステニア・ミューズ、メルア・メルナ・メイアにも教えてはならん。いいな?」
マイルズ「ガディソードの対応によっては、全戦力を投入しての連戦となろう。諸君らの奮戦に期待する。以上だ」
マイルズ「ガディソードは我々と和平交渉を行う前に地球へ来ていたのか……」
マイルズ「ガディソードめ! クロスゲートの真上にラブルパイラを転移させるとは!!」
マイルズ「ガディソード側からあれに関する情報は一切提供されなかったのだ」
マイルズ「ガディソード側は把握していない。そして、それは我々も同じだ。何故ならば彼女は記憶の大半を失っているからな」
マイルズ「ガディソード絡みの案件は最上級の機密であるため、本日この時まで諸君らには秘匿せざるを得なかった」
マイルズ「カムフラージュ機能が破損している可能性は?」
マイルズ「カルヴィナ・クーランジュとのやり取りから判断して、あの男からならば、フューリーの情報を聞き出せそうだ」
マイルズ「ギャスパル・ギラン元帥の許可なく教えることは出来ん」
マイルズ「キャニス……確か、ガイアセイバーズの機体だったな。彼らの残党がいたとは」
マイルズ「キリがないということか……!?」
マイルズ「ギント・キタウミ大佐。現時刻を以て、艦長の任を解く。理由は述べるまでもないな?」
マイルズ「ギント大佐には監視付きの自室待機を命ずる。保安兵、大佐を連行せよ」
マイルズ「ク、クロスゲート・バーストが起きるのか!?」
マイルズ「グ=ランドンの手勢に対する囮としては、これ以上ないな」
マイルズ「くっ! 統合参謀本部からの指示はまだか!?」
マイルズ「くっ、ヨン少尉の予想が早速的中したか!」
マイルズ「グランティード・ドラコデウスがゲートを封印できるという、殿下のお言葉の真偽を確かめさせていただきたい」
マイルズ「グランティード・ドラコデウスだけを出すわけにはいきませんな」
マイルズ「グランティード・ドラコデウスは?」
マイルズ「くれぐれも作業は迅速にな」
マイルズ「クロスゲートの様子は? 変化なしか?」
マイルズ「クロスゲートへ赴き、グランティード・ドラコデウスによる封印を試みる」
マイルズ「クロスゲートを異星人に悪用されることは断じて避けねばならん」
マイルズ「クロスゲートを封印する力が存在するか否かを確かめる……それが統合参謀本部の指示である以上、避けては通れますまい」
マイルズ「げ、迎撃だ! 迎撃せよ!」
マイルズ「こ、これで終わったか……」
マイルズ「ここで確実にアレス・ガイストを撃破せよ。あんな物をクロスゲート宙域へ行かせるわけにはいかんぞ」
マイルズ「ここで彼らを振り切っても、別の場所が襲われる恐れがあるか……」
マイルズ「ここで余計なトラブルを抱えるわけにはいかん。速やかに敵機を排除せよ」
マイルズ「ここまでのパターンは新宿や横浜と同じか……!」
マイルズ「こちらと同じだな。戦闘中、クロスゲートに異変は見受けられたか?」
マイルズ「こちらに回せ!」
マイルズ「こちらの出方を窺っているのか……」
マイルズ「こちらの命令に従わないのであれば、実力を以て拘束せよ」
マイルズ「こちらは鋼龍戦隊司令、マイルズ・ブースロイドだ! 勢力圏を侵害したのはラブルパイラではないか! 貴様らの方こそ、ここから立ち去れ!」
マイルズ「こちらは第1独立特殊戦隊司令、マイルズ・ブースロイド准将だ。クロスゲート監視艦隊に告ぐ」
マイルズ「こちらは統合参謀本部直属第1独立特殊戦隊である。アンノウンの撃退は、我々が引き受ける。横田基地所属機は、民間人の避難支援にあたれ」
マイルズ「このまま第三者が現れなければいいのだが……」
マイルズ「この後、本艦は彼らの本拠と思われる人工天体『ラブルパイラ』と接触する」
マイルズ「この振動は……!」
マイルズ「ゴモウドッカ・ゴライクンル……あの男はいったい……」
マイルズ「ゴライクンルめ、厄介な位置に陣取りおって……」
マイルズ「これがパーソナル・データだ」
マイルズ「これより、ラブルパイラへの威力偵察についてブリーフィングを行う」
マイルズ「これらの作戦を成功させることによって、ラマリスによる世界的な混乱を終息させねばならん。総員の奮闘を期待する」
マイルズ「こんな奇跡でもなければ、もう君は艦を任されることもなく、辺境の小基地へ赴任していたかも知れない」
マイルズ「ご理解いただき、感謝致します。今夜の夕食は、司令公室で。私と艦長が同席します」
マイルズ「ご理解が早くて助かります」
マイルズ「さ、捜せ! 何としてもグランティードを捜し出すのだ!!」
マイルズ「さて、シャナ=ミア皇女殿下。あなたの処遇について、地球連邦軍上層部から当面の結論が出ました」
マイルズ「さて、待ち伏せをしている敵はいるのかね?」
マイルズ「し、しかし……」
マイルズ「ジーク・アルトリート、サリー・エミールの両名とその機体は、本艦で預かることになった」
マイルズ「しかし、あの2人はガディソード人だぞ。手にした銃をいつこちらに向けるかわからん」
マイルズ「しかし、オペレーション・トリオンフ終了後、統合参謀本部は改めて調査隊を送り込んだのだが……何も見つからなかった」
マイルズ「しかし、グ=ランドンがルイーナの出現を看過したのであれば……」
マイルズ「しかし、この航海にはもう一つの目的がある。それは……和平交渉の特使を護衛するという栄誉ある任務だ」
マイルズ「しかし、その気になれば、我々の父祖を支配……あるいは絶滅させ、地球を我が物に出来たのでは?」
マイルズ「しかも、彼女らとベルゼルートは、アシュアリー・クロイツェル襲撃事件の重要参考人及び証拠物なのだ!」
マイルズ「ジャカルタだ。現地では友軍部隊がラマリスを一度撃退したものの、1時間程前に再出現した。しかも、数は前回より増えているそうだ」
マイルズ「ジャカルタにはまだラマリスが残っている。時間が経てば、数が増えるだろう」
マイルズ「シャナ=ミア皇女殿下、トーヤ・シウン達の件についてもご説明いただけますかな」
マイルズ「シュウ・シラカワ! 貴様っ!!」
マイルズ「ストロング・アークとの連絡はまだ取れんのか?」
マイルズ「ソ、ソウルセイバーか!?」
マイルズ「そ、それほどまでにアンノウンの侵攻が激しかったのですか……!?」
マイルズ「そう……デブデダビデがジャカルタに現れ、友軍部隊を撃破した後、ラマリスを捕獲したのだ」
マイルズ「ゾヴォークか!?」
マイルズ「そうか。では、新たな命令を伝達する。現時点でラマリス群と交戦し、それらの殲滅に成功したのは我ら鋼龍戦隊のみ……」
マイルズ「そうだ。一連の事件が起きる前、ようやくLTR機構の調査団と護衛の友軍部隊が現地へ向かったのだが……」
マイルズ「そうだ」
マイルズ「そうだな。駆除方法はわかったものの、現状ではT-LINKシステムやシュンパティア搭載機を有する我々しかそれを成し遂げられん」
マイルズ「そうだな。統合参謀本部に確認してみよう」
マイルズ「そうですな……。二日で到達できる距離など、宇宙空間では指呼しこの間だと言えましょう」
マイルズ「そうなれば、殿下からご提供いただいた情報を元に攻略作戦を構築することになるでしょう」
マイルズ「そうまでして、責を逃れるつもりはないが……やむを得ん、ベルゼルートを出せ」
マイルズ「そこからは、ガディソードとゾヴォークの戦争商人であるゴライクンルが裏で結託しているという推論が導き出される」
マイルズ「そこで、ロアに意見を聞きたい」
マイルズ「そこの2人に心当たりはあるか?」
マイルズ「そこまで仰るのであれば、いいでしょう。艦長、先程の命令は取り消す」
マイルズ「そこまで混乱していたのか……」
マイルズ「そして、その鍵となるのがアキミ・アカツキとアケミ・アカツキなのだ」
マイルズ「そして、彼らはいつゼモン・モルターを発射し、空間転移を行ってクロスゲートを持ち去るかわからん」
マイルズ「そちらの話から判断して、ヘルルーガは我々がラブルパイラへ赴く前にゴライクンルと結託していたようだな」
マイルズ「そのため、ヒリュウ改には別行動を取ってもらう。まずヒンダン基地に向かい、そこで補給を受けた後、パキスタン地区・カラチに向かいたまえ」
マイルズ「そのため、戦隊を二分して、戦略上の要衝へそれぞれ投入されることとなった。第一の目的は、パリ奪還である」
マイルズ「そのままラブルパイラへ突入し、ヘルルーガ・イズベルガを打倒する」
マイルズ「そのようなことが……」
マイルズ「そのようなことをしなければ、少なくとも前者は奪還か、破壊できる可能性があった」
マイルズ「その決断に至った原因は何なのです? 先程、母星を失ったと仰っていましたが……」
マイルズ「その件に関しては、後で伝達する。なお、ドリフト・ウィングの存在とフェアリ・クリビアの素性は重要機密とする」
マイルズ「その原因はまだ特定できていないが、上層部は我らにラマリスを殲滅する能力があると判断し……」
マイルズ「その際、提供されたデータが眠り姫と一致したのだ」
マイルズ「その質問には答えられん」
マイルズ「その詮索は、我らの任務ではない。最優先すべきは、第二中継点への空間転移だ」
マイルズ「その通りだ。あの大型機を撃破すれば、残ったガディソード兵は投降するだろう」
マイルズ「その通りだ。オペレーション・トリオンフ遂行中に彼らが乱入してくることで作戦が混乱することを避けたい……それが統合参謀本部の決定だ」
マイルズ「その通りだ。しかし、その戦闘が行われたのはどこだ? これは月面管区司令部が判断すべき問題である」
マイルズ「その通りだが、より興起せよと言っているのだ」
マイルズ「その通りです」
マイルズ「その搭乗者である『眠り姫』が秘密裏にこのハガネへ運び込まれている」
マイルズ「その判断は、統合参謀本部が下すだろう」
マイルズ「その必要はありません。トーヤ以下4名は、自らの意志で我が戦隊への協力を申し出ております」
マイルズ「その理由は何だ?」
マイルズ「そもそもの話だ。君はカルヴィナ・クーランジュ元少尉を本艦に連行すべきではなかった」
マイルズ「それがデブデダビデの仕業だという確証はない。クスハ少尉、龍虎王に直接問い質せんのか」
マイルズ「それだと、クロスゲート宙域への到達が遅れるだろう。そもそも、機動部隊の出撃についても私の指示を仰ぐべきだったのだ」
マイルズ「それで、ゴライクンルが襲ってきたわけではあるまいな」
マイルズ「それで、ヘルルーガ・イズベルガはラブルパイラの実権を完全に掌握したのか」
マイルズ「それでいい」
マイルズ「それでも見知ったことは伝達できるだろうが」
マイルズ「それとも、ガウ=ラ・フューリアの守りに自信があるのか」
マイルズ「それならば、こちらへ救援要請が出るはずだ。極秘任務で動いている別部隊かも知れん」
マイルズ「それに先立ち、アビアノ基地で補給を受けることになるが、そこでガディソード人を下船させる」
マイルズ「それは、フューリー根拠地への侵攻にご協力いただけるということですかな?」
マイルズ「それは、やってみなければわからんそうだ」
マイルズ「それは……」
マイルズ「それはいつの話です?」
マイルズ「それはこちらの狙い通りだが……フェアリ・クリビアの様子はどうだったのだ?」
マイルズ「それは我らとグ=ランドン、双方にとっての切り札なのですから」
マイルズ「それは私が着任するまでの話だ! だいたい、民間人を軍事作戦で登用すること自体に大きな問題があるのだよ!」
マイルズ「それは大変ありがたい話です……!」
マイルズ「それは本当か……!?」
マイルズ「それまで、ヒリュウ改は桃園基地で待機せよ。我が戦隊の以後の任務については、合流後に伝達する」
マイルズ「それまでに何としてもフロラーガを撃破するのだ!」
マイルズ「それも上の判断を仰ぎたい所だが……そうも言っていられんか。ブリーフィングでの説明を許可する」
マイルズ「そんなことは……」
マイルズ「そんなもの、ベスト・アンサーでは……!」
マイルズ「だ、弾幕を厚くしろ! 奴を接近させるな!」
マイルズ「だ、弾幕を張れ! 近づけさせるな!」
マイルズ「ダークアイアン・キャッスルを見つける術は?」
マイルズ「ダークブレインの残党による捕獲が浄化と同様の効果をもたらすなどと……」
マイルズ「ダークブレイン残党の要塞か!」
マイルズ「だが、あの地のラマリスはダークブレインの残党によって根こそぎ持って行かれただけだ」
マイルズ「だが、あれだけのことが起きたのだぞ。地球に何も影響がないとは到底思えん」
マイルズ「だが、その中の何機かは別の事情によって配備が決定されている」
マイルズ「だが、もし、ラマリスが絡んでいるとすれば、我らに相応しい任務だと言えよう」
マイルズ「だが、レーダーやセンサーには反応がないのだろう?」
マイルズ「だが、結果としてカルヴィナ・クーランジュ元少尉を本艦に収容することになった以上、仕方がない。私の方で月面管区及び統合参謀本部に報告しておいた」
マイルズ「だが、手掛かりがないというわけではない。ドリフト・ウィングは何らかの実験機である可能性が高いのだが……」
マイルズ「だから、それか何かと先程も聞いたのだ」
マイルズ「だから、認めろと言うのか?」
マイルズ「だからと言って、出撃を許可した覚えはない!」
マイルズ「ただし、厳重に注意しておけ」
マイルズ「ただし、出発前に全ての機動兵器とパイロットをハガネへ移乗させよ」
マイルズ「たまたま慣熟航行で宇宙に上がってきた一戦隊が関与すべき案件ではない。君はカルヴィナ元少尉を月面管区に引き渡すべきだったのだ」
マイルズ「つまり、元帥閣下は我が戦隊が囮となってアンノウン勢力の目を引きつけ、逐次撃退せよと仰っているのですね」
マイルズ「つまり、進展なしか」
マイルズ「つまり、鉢合わせか。だが、先制しなかった理由が解せん」
マイルズ「つまり、彼らに与えた猶予は、致死的攻撃を準備するためのものだったと……?」
マイルズ「で、では、フェアリ・クリビアの尋問を……!」
マイルズ「であるならば、彼らによって捕獲されたラマリスがそこに集積されているかも知れん」
マイルズ「ですが、まだ彼らを信用するわけにはいきません。それに、我々の任務には、特使閣下の安全を確保することも含まれております」
マイルズ「テツヤ・オノデラ少佐、ショーン・ウェブリー少佐、エリック・ワン博士を除き、口外無用だ」
マイルズ「テツヤ・オノデラ少佐。ギント大佐の代わりに艦の指揮を執れ」
マイルズ「では、『オペレーション・トリオンフ』のブリーフィングを行う。カイ少佐、概要説明を」
マイルズ「では、あの部隊に援軍の要請を……」
マイルズ「では、あれは何の装置だと言うのだ?」
マイルズ「では、イルムガルド中尉。カルヴィナ・クーランジュ元少尉を居住ブロックへ連行したまえ」
マイルズ「では、ジーク・アルトリート、サリー・エーミル。君達が我々の所へ来た理由を聞かせてもらおう」
マイルズ「では、しばらくの間、我が戦隊に留めておくのですな」
マイルズ「では、ヒリュウ改の空間転移装置のメンテナンスが終わり次第、大阪へ向かいます」
マイルズ「では、ブリーフィングを始める。このアビアノに到着した後、半舷休息となっていたが、現時刻をもって解除する」
マイルズ「では、ラマリスの運び先は? やはり、ダークアイアン・キャッスルなのか?」
マイルズ「では、レフィーナ中佐。直ちに航海計画と機動部隊編成案を立案したまえ」
マイルズ「では、以上だ」
マイルズ「では、我々は慣熟航行を続行します」
マイルズ「では、議長とつないでくれ」
マイルズ「では、後は任せるぞ、レフィーナ中佐。大阪に引き続き、台北のラマリスも見事殲滅してみせろ」
マイルズ「では、向こうもまもなく準備が整うか。副長、機動部隊のパイロット達を召集し、ブリーフィングを行え」
マイルズ「では、鋼龍戦隊の全戦力を伊豆に結集させるのですな」
マイルズ「では、参式のパイロットを選抜した後、地下へ送り込め」
マイルズ「では、参謀本部の判断を……いや、それでは遅いか。全周警戒任務の一環として、私の権限で許諾する」
マイルズ「では、始めよう。諸君らも既に知っての通り、世界各地の大都市に例のアンノウン……コードネーム、ラマリスが出現した」
マイルズ「では、処刑命令が出ているにも関わらず、何故、ヴォート・ニコラウスはお前達との接触を目論む?」
マイルズ「では、少尉。自己紹介を」
マイルズ「では、積載作業が完了する1400をもって、我が戦隊は大阪地区へ出撃する。各艦、各隊は遺漏なく発進準備を整えるように」
マイルズ「では、先方へ呼びかけろ」
マイルズ「では、特使閣下、お部屋にお戻り下さい。本来であれば……」
マイルズ「では、補給作業が終了次第、ベルリンへ転移してラマリスを討伐する」
マイルズ「ど、どういうことだ!?」
マイルズ「ということは、クロスゲート監視艦隊も?」
マイルズ「どういうことです?」
マイルズ「どういうことなのだ?」
マイルズ「どうした、副長?」
マイルズ「トーヤ・シウン、貴様はどうだ?」
マイルズ「な、何が起きた!?」
マイルズ「な、何だ……何が起きている……!?」
マイルズ「な、何だと!? あれはもう撃てるのか!?」
マイルズ「な、何だと!?」
マイルズ「な、何ですと……!? カルヴィナ・クーランジュを再任官させるのですか?」
マイルズ「な、何と……何ということだ……!」
マイルズ「な……何だ、あれは!?」
マイルズ「な……何だ、あれは……!?」
マイルズ「なお、PTXチームのカルヴィナ少尉はトーヤ・シウンとともにヒリュウ改所属とする。理由はわかるな」
マイルズ「なお、この件を知っているのは私だけだ。よって、他言を禁ずる」
マイルズ「なお、この場には我が戦隊の指揮官クラスの者だけでなく、関係者も同席させております」
マイルズ「なお、その特殊兵器とは致死性の化学兵器である。クロスゲートへ影響を及ぼさず、ラブルパイラ内を迅速に制圧するための手段として選択された」
マイルズ「なお、ハガネへの空間転移装置の取り付けは、明日中に完了する。その後、台湾までの転移を試みる」
マイルズ「なお、マルム・クイスード頭領長からある人物の捜索依頼が出されている」
マイルズ「なお、以後の任務を効率良く遂行するため、ハガネにもゾヴォークから提供された空間転移装置が取り付けられる」
マイルズ「なお、友軍部隊によってラマリスは市街地に封じ込められており、民間人の避難も完了している」
マイルズ「なっ……!!」
マイルズ「なっ……!」
マイルズ「ならば、ガディソード人3名の命は保証できん。アリアードも破壊するぞ」
マイルズ「ならば、何故、真っ直ぐクロスゲートへ……いや、そのようなことを議論している場合ではない」
マイルズ「ならば、我が戦隊はヘルルーガ・イズベルガの大型機動兵器の撃破に専念する!」
マイルズ「ならば、作業を早く終わらせろ!」
マイルズ「ならば、質問を変えよう。お前達はヴォート・ニコラウスと……ラブルパイラの同胞達と戦えるか?」
マイルズ「ならば、封印で止めておけ!」
マイルズ「ならん。あの構造物に処置に関しては、統合参謀本部に指示を仰ぐ」
マイルズ「ぬ……」
マイルズ「ぬ……う……!」
マイルズ「ぬう、浄化が完全ではなかったとは……!」
マイルズ「ぬうう、何ということだ。急ぎジャカルタへ向かわねばならんのに……!」
マイルズ「ぬうう……命令あるまで現宙域から撤退するわけにはいかん。艦長、ガディソード部隊を迎撃せよ!」
マイルズ「ぬうっ、カーナ・タイプの出現を許すとは!」
マイルズ「は?」
マイルズ「パイロット諸君は、その過程におけるヒリュウ改の安全確保に専念してもらいたい」
マイルズ「パイロット総員、揃っているな?」
マイルズ「ハガネの主だった戦力は、直ちにヒリュウ改へ移動。その後、ハガネは伊豆基地へ向かい、空間転移装置の取り付け作業を行え」
マイルズ「はっ、原因については調査中です」
マイルズ「はっ、望む所であります」
マイルズ「はっ。艦長、艦載艇を用意してくれ」
マイルズ「はっ」
マイルズ「はっ……対応はどのように?」
マイルズ「パリの解放はひとまず成功したか。その旨をギャスパル元帥閣下に報告せよ」
マイルズ「パリ解放は、連邦軍にとって最重要戦略目標だが、他の地におけるラマリスを放置することも出来ん」
マイルズ「パリ奪回と平行して、ヒリュウ改は各地のラマリス掃討作戦を続行してもらう」
マイルズ「パリ奪還は統合参謀本部からの直接命令です。極東方面軍に労っていただく筋ではありません」
マイルズ「ハンフリー大佐、聞いての通りだ」
マイルズ「ヒリュウの方はどうか?」
マイルズ「ヒリュウ改は空間転移装置のメンテナンスが終了次第、台北へ転移。そこに巣くうラマリス群を殲滅せよ」
マイルズ「ヒリュウ改は桃園基地に留まり、空間転移装置を修復。ハガネはジャカルタへ転移し……」
マイルズ「ヒリュウ改を直ちにパリへ転移させろ!」
マイルズ「フェアリ・クリビア。君は何のためにアリアードを奪ったのだ?」
マイルズ「フェアリ・クリビアとドリフト・ウィングの安全を確保する場所に相応しいと判断した」
マイルズ「フェアリ・クリビアと同様、少佐に一任する」
マイルズ「フェアリ・クリビアの身柄引き渡し要求には応じない。可能な限り彼女の記憶を取り戻すよう試みて、情報を引き出す」
マイルズ「フェアリの捜索は先方の代表者から直々に受けた依頼であるため、後々に問題が発生する可能性を減らすためにも……」
マイルズ「ふむ……。そもそも、あなた方フューリーとは何者なのですか」
マイルズ「フューリーの素性と目的がはっきりしない現状では、何とも言えん」
マイルズ「ブリーフィング終了後、本艦とヒリュウ改はデリー郊外へ空間転移。合流後、ラマリス集結地へ突入する」
マイルズ「ブリッジ・クルー諸君に告ぐ。転移前にも伝達したが、ブライアン・ミッドクリッド特使閣下が乗艦していることは、指示あるまで極秘とせよ」
マイルズ「ふん、いいだろう」
マイルズ「ふん、諦めが悪いな」
マイルズ「フン、民間人に勝手な真似を許すとは……! まだ弛みがあるようだな、この艦には」
マイルズ「ふん……インスペクターやゲストの侵攻で地球圏は多大な損害を被ったのだ。上級のEOTとは言え、空間転移装置の一つや二つで帳消しに出来るものか」
マイルズ「ベスト・アンサーではないな。簡潔かつ詳つまびらかに説明せよ」
マイルズ「ベスト・アンサーではないな。他に出せんのか、他に」
マイルズ「ベスト・アンサーではないな」
マイルズ「ベスト・アンサーとは言えんな。それでは、跡地が見えぬ理由の説明にならん」
マイルズ「ヘルルーガとの関係を悟られぬようにするためのカムフラージュだったか」
マイルズ「ほう、どうやって?」
マイルズ「ま、待たんか! そのように重要な事柄を、現場の判断で! 統合参謀本部、いや、大統領の許可が必要だ!」
マイルズ「まあいい、許可する」
マイルズ「まさか、ゴライクンルか!?」
マイルズ「まさか、敵の増援か!?」
マイルズ「まず、あなたをフューリーの皇族として公式に遇することは出来かねます」
マイルズ「まず、ハガネは南欧方面軍によるパリ解放作戦『オペレーション・トリオンフ』に参加する」
マイルズ「まずは、グランティードとベルゼルート。これらには、ソーンを擁する敵勢力の狙いを我が戦隊に引きつけるという役目が与えられる」
マイルズ「また、ガディソードとの間に無用な軋轢を発生させない慎重さも諸君らに期待したい」
マイルズ「また、ラマリスの出自は未だに不明……依然として予断を許さぬ情況であることを忘れるな」
マイルズ「まるで、山ではないか……」
マイルズ「マルム・クイスード頭領長はどうなった?」
マイルズ「む、むう……」
マイルズ「む、むう……目標がクロスゲートから出て来たのであれば、統合参謀本部の指示を仰ぎたい所だが……返答を待っている時間はないか」
マイルズ「む? 後退するのか?」
マイルズ「む? 出撃機体数が少ないではないか」
マイルズ「む……。ならば、やむを得ん。迎撃を許可する」
マイルズ「む……。敵の迎撃は我らにお任せ下さい。彼らと結託などしていない証を立てます」
マイルズ「む……」
マイルズ「む……ブリッジからか」
マイルズ「む……良かろう、許可する。ただし、敵対行動を取った場合は実力を以て阻止しろ」
マイルズ「むう……」
マイルズ「むう……まずは統合参謀本部の判断を仰がねばならんな。返答が来るまでの間、ヒリュウ改にて対応させる」
マイルズ「むう……やむを得んか」
マイルズ「むう……現時点では受け身にならざるを得ないのか」
マイルズ「むう……敵の本命はアリアードかも知れん。艦長、ハガネを現戦域から後退させろ」
マイルズ「むざむざと敵の下へ送り込むことは出来ん。ガディソードとの決戦が終わったばかりで諸々苦しい状態であるが……」
マイルズ「メイン・スクリーンに最大望遠でラブルパイラの映像を出せ」
マイルズ「もっとも、該当兵器を入手した別勢力の欺瞞である可能性までは否定できません」
マイルズ「もっともな意見だ。しかし、統合参謀本部は強大な戦力と高い機動力を保有する我が戦隊こそが……」
マイルズ「や、やむを得ん、許可する」
マイルズ「や、やむを得ん。許可する」
マイルズ「やはり、お前達は脱走者を装ったスパイなのではないか?」
マイルズ「やはり、バラルの園が浮上した後の窪地は見当たらんか……。座標に間違いはないのだろうな?」
マイルズ「やはり、ラブルパイラで我々を襲撃したゾヴォーク機はゴライクンルの物で……」
マイルズ「やはり、ラブルパイラは宇宙要塞の類いでしょう。兵装や機動兵器を運用するための施設らしき物が見受けられましたので」
マイルズ「やむを得ん、攻撃を許可する!」
マイルズ「やむを得ん。艦長、本艦とヒリュウ改は現在位置に留まり、機動部隊を援護せよ」
マイルズ「やむを得ん。警告を出せ、艦長」
マイルズ「よし……では、直ちに進発準備を始めよ」
マイルズ「よもや、ダークブレインの残党がアビアノ基地を襲撃するとは……!」
マイルズ「ヨン少尉は、ゾヴォークからもたらされた空間転移装置運用のオブザーバーでもある。今回の試験航海の説明は、彼女にしてもらう」
マイルズ「ラブルパイラから撃ってきたのか!?」
マイルズ「ラブルパイラの底部にミサイル・ランチャーが残っていたのか!?」
マイルズ「ラマリス……アンノウンのコードネームですか?」
マイルズ「ラマリスの討伐は我が隊が引き受ける。友軍機を下がらせろ」
マイルズ「レイカー少将、ハガネは伊豆基地に残留ですか?」
マイルズ「レフィーナ中佐、ゾヴォークから提供された空間転移装置は問題なく作動したようだな」
マイルズ「ロア、デブデダビデが結界を張っているとして、それを見破ることが出来るか?」
マイルズ「わかりました。皇女殿下がグランティードに同乗されるのは高いリスクを背負うことになりますが……」
マイルズ「ワン博士からの報告を踏まえ、ラマリスとの関連性をより深く調査するため、ドリフト・ウィングはヒリュウ改へ移す。フェアリ・クリビアも同様だ」
マイルズ「伊豆へ……? 我々にはピラミッドの破壊任務が与えられるものだと思っていたが」
マイルズ「威力偵察……つまり、交戦が許されると?」
マイルズ「意外そうだな。敵と内通している可能性は限りなくゼロに近いと報告書に書いたのは、君だろう?」
マイルズ「意図的にいずこかへ潜伏したと……」
マイルズ「異星人の居所で会談とは……何らかの謀略ではありませんか?」
マイルズ「異論があると言うのかね」
マイルズ「一つ伺いたい。そちらには太陽系から退去する選択肢もあったはずでは?」
マイルズ「一難去ったということなのか……?」
マイルズ「一方では実力行使によって、それらの奪還を目論んだ可能性があるからな」
マイルズ「何!?」
マイルズ「何? 友軍かどうかすらわからんのか?」
マイルズ「何かご懸念のことでも?」
マイルズ「何か言ったか?」
マイルズ「何だ!?」
マイルズ「何だ、それは?」
マイルズ「何だ、貴様も反論する気か!?」
マイルズ「何だ?」
マイルズ「何だと!? この情況で逃げる気か!」
マイルズ「何だと!? どういうことだ!?」
マイルズ「何だと!? 艦長に最大戦速で特別警戒宙域へ進入しろと伝えろ!」
マイルズ「何だと!? 早いではないか!」
マイルズ「何だと!?」
マイルズ「何だと……!?」
マイルズ「何っ!?」
マイルズ「何とか凌げたか……」
マイルズ「何のことか?」
マイルズ「何を馬鹿なことを! 今のカルヴィナ・クーランジュは軍人ではないのだぞ!」
マイルズ「何故、お前が彼らを庇うのだ?」
マイルズ「何事もなく地球へ降下できたのだ、一刻も早く帰投すべきではないのかね」
マイルズ「加えて、ラマリス・カーナと接触したのも我らだけである」
マイルズ「可能性があるとすれば、グ=ランドンを打倒した後でしょう」
マイルズ「可能性はある。会遇という言葉では……」
マイルズ「我が戦隊が保有するT-LINKシステム、シュンパティア、サイトロンなどのシステムにはラマリスの再出現を止める効果がある」
マイルズ「我が戦隊において穏便に記憶回復を試みることにする」
マイルズ「我が方の勝利だな。ガディソード側に降伏勧告を出せ」
マイルズ「我らで迂闊に戦端を開くわけにはいかん。ここはいったん撤退して、統合参謀本部の指示を仰がねば……」
マイルズ「我らには大役が課せられていることを忘れるな。本艦に損害を出してはならん。可及的速やかに敵を排除せよ」
マイルズ「我らは統合参謀本部からの特命を受け、クロスゲート直近での作戦を遂行する。貴隊は後退し、外周宙域の警戒に当たられたし」
マイルズ「我らは統合参謀本部の期待以上の成果を挙げねばならん。私に大口を叩いた以上、やってもらうぞ、ギント艦長」
マイルズ「我々にもラマリス殲滅任務が与えられており、それを確実に成し遂げるため、戦力が増強された」
マイルズ「画像解析でも砂地が確認されるだけだ。事前にそのようなことはなかった」
マイルズ「回収した敵機の残骸を調べたところ、簡易検査ではありますが、封印戦争で確認された彼らの機動兵器に酷似しております」
マイルズ「各員、奮闘せよ。新宿や横浜と同様、この地のラマリスも殲滅するのだ」
マイルズ「各機に告ぐ! 第13特殊作戦PT部隊が転移装置を破壊するまで、敵主力を引きつけろ!」
マイルズ「各機に告ぐ。ヘルルーガの目的は、空間転移によりクロスゲートを地球圏から持ち去ることである」
マイルズ「各方面軍への指示は出ているのだろう? ならば、大きな問題は……」
マイルズ「確かに任せるとは言ったが……まあいい、ここまで来たからには最後までやり抜くしかない」
マイルズ「覚悟の上というわけか。良かろう。進退については、作戦終了後の軍法会議にて決せられるだろう」
マイルズ「監視艦隊は無事か。だが、あの光のシャワーが降り注いだ地球は……」
マイルズ「肝心な時にそれでは、封印殿の意味がありませんな」
マイルズ「艦とクルーの大半を失った貴様を、私はハガネの艦長として抜擢した」
マイルズ「艦隊内で反乱でも起きたというのか。いずれにせよ、統合参謀本部の指示を仰がねば……」
マイルズ「艦長! 何故、グランティード・ドラコデウスを出撃させた!?」
マイルズ「艦長、シャナ=ミア皇女殿下の要請については、我が戦隊の全力を以て応えることにする」
マイルズ「艦長、機動部隊を出し、本艦に随行させろ」
マイルズ「艦長、具申通り、機動部隊の出撃を許可する」
マイルズ「艦長、戦端は開かれたぞ! ラブルパイラへ突入せよ!」
マイルズ「艦長、直ちに戦域から離脱しろ。ただし、目標群との交戦は禁ずる」
マイルズ「艦長、聞いての通りだ。地球への降下準備を進めつつ、クロスゲート監視艦隊との合流を」
マイルズ「艦長の言う通りだ。連中の目当ての物は我らが押さえた。ここで仕掛けてくるなら……」
マイルズ「基本的な戦術は前回と同じだ。T-LINKシステムとシュンパティア搭載機、グランティードを中核としてラマリスを殲滅せよ」
マイルズ「機動部隊各機にアレス・ガイストを撃破させろ!」
マイルズ「機動部隊各機をピラミッド状構造物へ進入させ、内部を制圧させろ。調査はその後だ」
マイルズ「機密事項だ、少尉。特使閣下、そろそろブリッジへ」
マイルズ「貴様! 命令違反、そして越権行為だぞ! それがどういうことになるか、わかっているのか!」
マイルズ「貴様……副長の肩を持つ気か?」
マイルズ「貴様は自分の上官が……艦隊司令の判断が間違っていたと言うのか」
マイルズ「脅迫する気か! これは立派な犯罪だぞ!」
マイルズ「空間転移ではなく?」
マイルズ「空間転移を行いたい所だが、それには統合参謀本部の許可がいるか。現状は、艦長の判断で構わん」
マイルズ「空間転移実験は、1600より開始する。パイロット各員は1520より第一種戦闘配置にて待機せよ」
マイルズ「軍事機密が数多く存在する要塞ならば、当然のことだと思うが」
マイルズ「結果論で判断するな」
マイルズ「結局は言い伝えに過ぎないようですな」
マイルズ「元帥閣下が何故、一少尉の扱いなどに……」
マイルズ「現在、クロスゲートでは中性子線や重イオン線、ガンマ線の放射が強まっています。我々はバースト現象の予兆と見ていますが……」
マイルズ「現在、南欧方面軍を中心とした解放作戦が予定されている。ハガネはそれに参加する」
マイルズ「現時点では先方の情報が少な過ぎます。本艦で交渉を行うよう、掛け合いましょう」
マイルズ「現状は休戦中だが、こちらの索敵行動に対し、先方が攻撃してくるならば、応戦する」
マイルズ「言われるまでもない。統合参謀本部の判断を仰ぐ。それまで待機せよ」
マイルズ「故に妨害してくる、仕掛けてくるという読みは短絡的ではないかね。パイロット達は、ここしばらく戦闘が連続したおかげで疲弊しているのだぞ」
マイルズ「公的には先程述べた通りですが、この戦隊内においては、殿下のお言葉を信用致します」
マイルズ「構わん」
マイルズ「構わんが、我々の本来の任務は……」
マイルズ「構わんが、統合参謀本部の命令あるまでピラミッド状構造物内部への進入は禁ずる」
マイルズ「皇女殿下、アシュアリー・クロイツェル襲撃事件についてグ=ランドンを問い質したのですか?」
マイルズ「皇女殿下、お聞きの通りです。場合によっては、グランティード・ドラコデウスで出撃していただくことになるでしょう」
マイルズ「皇女殿下、これは臣下の暴走で済まされる事態ではありませんぞ」
マイルズ「皇女殿下、警備の都合上、滞在していただく部屋からの外出を控えてもらいます」
マイルズ「考えてみれば、運のいい男だな、君は」
マイルズ「鋼龍戦隊のような特殊な戦力を有効活用するためには、現場における視野の狭い判断を制限する必要がある……」
マイルズ「鋼龍戦隊も南極へ赴くことになるのですかな」
マイルズ「鋼龍戦隊各機、攻撃を開始せよ!」
マイルズ「鋼龍戦隊各機に伝達せよ。グランティード・ドラコデウスに敵機を接近させてはならん」
マイルズ「今、余計なトラブルを抱えるわけにはいかん。速やかに敵機を排除せよ」
マイルズ「今頃か……。先の戦闘結果については、後で私が直接報告する」
マイルズ「今度は何だ!?」
マイルズ「使える駒は、どのような素性であっても使うと?」
マイルズ「私が司令である以上、このような暴挙は許さん!」
マイルズ「私が戦隊司令として着任する前、議長が仰った言葉です」
マイルズ「私は、と仰いましたな。つまり、皇女殿下個人の意志であって、フューリーの総意ではないと?」
マイルズ「私はそれを胸に、職責を全うしてきたつもりですが」
マイルズ「私はハガネで伊豆へ戻る。レフィーナ中佐、台北での作戦指揮は君に任せる」
マイルズ「私は報告書を統合参謀本部へ提出する。艦を市街地外へ移動させ、命令あるまで待機せよ」
マイルズ「事が発覚したのは、ラマリスの大量発生直後だ。それで、対処が後手に回ってしまったらしい」
マイルズ「事実だとして、我々のレベルで到底捌ける案件ではない。これは非常に高度な政治問題だ」
マイルズ「次に……これは機密事項であり、増強戦力ではないのだが……」
マイルズ「自白剤を用い、フェアリ・クリビアから強引に情報を聞き出すという手もあるのだが、地球連邦政府とガディソードは友好条約締結に向けて交渉中だ」
マイルズ「自分にそのような印象はありませんでしたが」
マイルズ「自分もそれを懸念しており、統合参謀本部に申請中であります」
マイルズ「実際に確かめろと仰るのですね」
マイルズ「射線軸上に入らぬよう留意しろ。ガディソードは機動兵器らしき物を展開しているか?」
マイルズ「釈然としませんな」
マイルズ「主な任務はSRXチームやPTXチームのT-LINKシステム搭載機による陽動だ」
マイルズ「出撃だと……?」
マイルズ「出撃は許可しておらんぞ!」
マイルズ「出来ぬ理由を述べるな! 出来る方法を考えろ!」
マイルズ「諸君ならば完遂できると信じている。あと1時間以内にヘルルーガ・イズベルガを確保、もしくは打倒せよ!」
マイルズ「上からの正式な決定が出るまで、元少尉には居住ブロック内でのみ行動の自由を認める」
マイルズ「上層部の判断は、そうです」
マイルズ「冗談ではないだと? それはこちらの話だ。民間人の人型機動兵器による不法戦闘を許可するわけにはいかん」
マイルズ「情況を広く見渡した結果、そのように判断しました」
マイルズ「情況次第では、パリへ行くことになるかも知れんからな」
マイルズ「浄化されていなければ、再出現する可能性がある」
マイルズ「新たな命令が下るまでの間、機動部隊各機は即応待機せよ」
マイルズ「申し訳ありません、特使閣下」
マイルズ「神の魂が……? 本当ですか?」
マイルズ「静粛に。統合参謀本部は、ガディソードが期限内にラブルパイラを明け渡すと考えていない」
マイルズ「先の戦闘では正当防衛であったと見なされる可能性があるが、今後は看過するわけにはいかん」
マイルズ「先の戦役で乗艦を失った君の前に、不祥事で艦長が降格となった大型戦闘母艦があった……」
マイルズ「先程、基地司令カルロ・サッキ少将より作戦の依頼があり、これを受けることになった。カイ少佐、概要を説明したまえ」
マイルズ「先程、統合参謀本部から通達があった。現状のアビアノ基地は、先程の敵襲によってセキュリティ面で不安要素があるため……」
マイルズ「先程といい、今回といい、タイミングが良過ぎる。おかしいと思わんか」
マイルズ「先程も述べた通り、ガディソードが攻撃を行えば、応戦……」
マイルズ「先日、モガミ重工の海上プラント近くへ落下し、回収されたガディソードの物と思われる有翼飛行体、コードネーム『ドリフト・ウィング』と……」
マイルズ「先日のコバヤシ博士の提案による実験の結果を統合参謀本部で検討、一つの結論が出た」
マイルズ「戦域外には友軍部隊がいる。これは、敵戦力を分散させるためでもあるのだ。命令に従え」
マイルズ「戦場において、指揮系統を混乱させる行為は看過できませんでしたので」
マイルズ「戦争商人が無償でそんなことをするはずがあるまい。見返りは、ガディソードが保有する兵器や軍事技術か」
マイルズ「戦闘の意志はないと言うのか?」
マイルズ「前言を撤回する。何か起きた時、ではない。既に事は起きていた。だから、警戒を深めておくに越したことはない」
マイルズ「全機に告ぐ! ヴォート・ニコラウスの話から判断して、ラブルパイラはあと15分で転移すると思われる!」
マイルズ「全戦力……それにはクロガネやリ・テクの機動兵器も含まれているのですか?」
マイルズ「早々に逃げ出すような敵だ。残った機体にブービートラップを仕掛けているかも知れん」
マイルズ「即答は出来ん。然るべき所に伺いを立てる必要がある」
マイルズ「他部隊でも彼らを討伐できる手段が確立するまでの間、各地を転戦することになった」
マイルズ「待て、艦長! どういうつもりだ!?」
マイルズ「隊内での無用な混乱を避けるためなのだがな……」
マイルズ「大佐には失望させられた。インスペクター事件末期、セレネ基地攻防戦で壊滅した軌道哨戒第4艦隊の生き残り……」
マイルズ「脱走した理由は不明。もっとも、彼女がスパイか破壊工作員なら、堂々と我々に捜査を依頼しないだろうが……」
マイルズ「脱走者を装ったスパイだという可能性がゼロになったわけではないからな」
マイルズ「単純な話だ。こちらの戦力を知った上で包囲し、撃破するつもりなのだろう」
マイルズ「端的に言えば、新たな異星人だ。彼らはラブルパイラという巨大な宇宙要塞の転移失敗により、母星から太陽系内に跳ばされた」
マイルズ「地球とフューリーの和……皇女殿下の理想を叶えるためには、やはりご自分の民と戦うお覚悟を決めていただかねばならぬようですな」
マイルズ「地球とフューリーの和解は難しいことだと言わざるを得ませんぞ」
マイルズ「地球連邦軍鋼龍戦隊司令、マイルズ・ブースロイドだ。そちらの要求物が当艦内に存在するという確証はあるのか?」
マイルズ「地球連邦軍統合参謀本部直属、第1独立特殊戦隊司令、マイルズ・ブースロイド准将です」
マイルズ「地球連邦政府と統合参謀本部がフューリーの処置を決定するまでの間……」
マイルズ「着席してくれ。艦長と各隊の隊長を集めたのは、今後の作戦について説明をするためだ」
マイルズ「調査隊はそれすら発見できなかったのだ」
マイルズ「敵が確認されたわけでもないのにか? それでは何か起きた時、部隊を回収するまで対応できなくなるぞ」
マイルズ「敵の様子は?」
マイルズ「敵は用意周到な準備の下、電撃作戦でクロスゲートを制圧した」
マイルズ「敵勢力が複数いるとのことですが……ゾヴォークやアレス・ガイスト以外には何が?」
マイルズ「殿下の扱いについては、我が軍の上層部に報告した上で、判断を仰ぐことになります」
マイルズ「奴はラマリスを制御できると言うのか?」
マイルズ「奴め、このタイミングで……! 地上に潜んでいたのではなかったのか」
マイルズ「当面、我々はクロスゲートでの任務がありますが……いずれ、ガウ=ラ・フューリアへ乗り込むことになるかも知れません」
マイルズ「統合参謀本部からの命令だ。カルヴィナ少尉の謹慎を解け。彼女を前線に出し、フューリーの反応を確かめるためにな」
マイルズ「統合参謀本部から新たな命令が下った。我が戦隊は明朝0800、中東ナフード砂漠にあるバラルの園跡地に向け、進発する」
マイルズ「統合参謀本部の許可が出次第、ハガネの空間転移テストを行う。目的地は台湾富貴角沖だ。その後、桃園基地へ赴く」
マイルズ「統合参謀本部の指示を仰ぐ。それまでは、現地点で待機せよ」
マイルズ「統合参謀本部の指示を仰ぐ。命令あるまで各機は即応待機だ」
マイルズ「統合参謀本部は、それを未然に防ぐ特殊兵器の準備を進めており、ヒリュウ改はそれを受け取りに行った」
マイルズ「統合参謀本部もそう判断している。ガディソードは我々にドリフト・ウィングとフェアリ・クリビアの捜索と引き渡しを依頼しておきながら……」
マイルズ「逃がすな! 追撃しろ!」
マイルズ「同感だ。では、次の話を。ハガネへの空間転移装置の取り付け作業が終了した」
マイルズ「同感です。万全の迎撃態勢を布いております」
マイルズ「特使閣下が交渉する相手は地球人ではない。そして、バルマーやゾヴォークでもなく、それらとは無関係の、新たに太陽系へ来た異星人だ」
マイルズ「特使閣下のご指示でも受け入れられません。万一の事態が発生した場合、迅速な対応が取れませんので」
マイルズ「任せるが、深追いはするな」
マイルズ「馬鹿な、速過ぎる! グランティード・ドラコデウスはまだクロスゲートを封印できんのか!?」
マイルズ「犯罪者扱い、そして身柄を拘束されないだけでもマシだと思って欲しいものだな」
マイルズ「彼から話を聞く前に、私から報告がある。ジャカルタを占拠していたラマリスの件だが……先程、その大半が消えたという報告が入った」
マイルズ「彼の地は住民の避難は完了しているものの、現在ではラマリスがもっとも多く集結している土地となっている」
マイルズ「彼らの出自はいまだ不明……各都市に鎮座し、増殖して各方面軍の機動部隊と一進一退の戦闘を繰り広げている」
マイルズ「彼らの退去により、戦乱が終息するのは一つの望ましい結果だと言えるが……」
マイルズ「彼らは自らを『ガディソード』と名乗っている」
マイルズ「彼らも宇宙へ上がってきていたのか……」
マイルズ「不服か、艦長?」
マイルズ「不服か?」
マイルズ「不服なのか、艦長!? これは命令だ!」
マイルズ「武装解除命令を出せ。その後、機体とパイロットの身柄を確保せよ」
マイルズ「封印戦争時と異なり、鋼龍戦隊が統合参謀本部直属となったからこその措置です」
マイルズ「副長、貴様に命じているのではない! 命令を復唱せよ、艦長!」
マイルズ「副長、私は司令公室へ戻る。伊豆基地へ着いたら、連絡してくれたまえ」
マイルズ「副長、地下の調査に適した機体を挙げよ」
マイルズ「副長、本艦の空間転移装置はあとどれくらいで使用できるか?」
マイルズ「副長、民間人の出る幕ではない。彼女の身柄は今、我が隊の管轄下にある」
マイルズ「復唱はどうした、中佐」
マイルズ「聞いての通りだ、レフィーナ中佐。ヒリュウ改はアビアノ基地に向かいたまえ」
マイルズ「聞いての通りだ、艦長。編成案を述べよ」
マイルズ「亡霊を見たという不明瞭な内容の通信を行った後、消息を絶ったそうだ」
マイルズ「本艦が離脱する前に敵を撃破したか。ふん、さすがだと言っておこう」
マイルズ「本艦は3時間ほどの通常航行で目標宙域に到達する予定である」
マイルズ「本艦はそれで構わんが、ヒリュウ改は伊豆基地へ帰還させ、空間転移装置の整備作業を一刻も早く終わらせろ」
マイルズ「本艦は空間転移装置の試験を目的として火星軌道外まで航海を続けてきたが、それは偽りではない」
マイルズ「本艦は大阪へ先行、ヒリュウ改に敵を迎撃させろ。人口密集地帯へ侵入される前に撃破するのだ」
マイルズ「本艦を直接狙ってきたか!」
マイルズ「本隊が解体されてもなお、こんな所で我らに仕掛けてくるとは……。意趣返しのつもりか」
マイルズ「本当にクロスゲートを破壊できたとはな……」
マイルズ「万が一に備え、戦闘能力の高い者を。人選は任せる」
マイルズ「万一、遅延でもしたら大問題になるぞ。私も統合参謀本部に弁明できん」
マイルズ「民間人を機体から降ろし、身柄を拘束しろ。非常時だ、実力を行使しても構わん」
マイルズ「無論、威力偵察が一種の挑発である以上、戦端が開かれるのを期待してのことだ」
マイルズ「無論、報告はするが、許可を待つ余裕はない。20分後に艦首大型砲が地球や月、コロニーに向けられる可能性もあるのだ」
マイルズ「無論だ。くれぐれも監視を怠らぬように」
マイルズ「名乗ったということは……コミュニケーションが可能な異星人のようですな」
マイルズ「名前はフェアリ・クリビア。頭領長の護衛官なのだが、戦闘機を奪って脱走し、地球へ潜入したそうだ」
マイルズ「明け渡しについてはまだ20時間以上も猶予が残っていますが、その後についてですか?」
マイルズ「明け渡し要求に応じる気があれば、最初からそのような真似はせんだろう」
マイルズ「目的が和平への予備交渉であるため、戦闘になる確率は高くないが、不測の事態には備える義務があることを忘れぬように」
マイルズ「問題は、どちらのレベルが上かということだ」
マイルズ「予定通りだな、中佐」
マイルズ「来たか!」
マイルズ「来るぞ! 迎撃せよ!」
マイルズ「了解した。ところで、統合参謀本部からの命令は?」
マイルズ「了解した。艦長、ギリアム少佐達が戻り次第、伊豆へ転移せよ」
マイルズ「了解した」
マイルズ「了解したと伝えろ」
マイルズ「了解しました」
マイルズ「了解です。今後、ゾヴォーク戦力と接触した場合はいかが致しましょう?」
マイルズ「了解です」
マイルズ「了解致しました」
マイルズ「連中は我々を欺いたのだよ。異星人を信用するから、こういうことになる」
マイルズ「連邦首都を奪還する本作戦には、地球連邦軍の威信が懸かっている。絶対に失敗は許されない。総員、奮戦せよ」
マイルズ「惑星間長距離転移試験航海の概要について説明するが、その前に紹介しておきたい人物がいる。SRXチームやPTXチームは初対面だろうからな」